■実話ときどき法螺

60代主婦の、実話だけではおもんないし

ねこ

去年の7月に姑が亡くなった。
3月に脳梗塞を起こし、脳のダメージが大きく要介護となり、3ヶ月のリハビリを経た後、自宅介護を決心した。
決心した私はえらかった。
えらかったと我ながら思うぞ。
リハビリ入院中に自宅介護を見通して介護部屋のリフォームなど着々と進めるとともに、
今後私に訪れるであろうストレスフルな状況を少しでも緩和すべく、というかそういうことを言い訳として、
猫を飼うことを自分に許した。
保護猫センターに問い合わせてみようかと思っていたタイミングで、娘の彼氏さんが野良の子猫を見つけて、
飼う気はないけれど見捨てるわけにも行かず、庭先に餌だけを置いて見守っている最中であるとの情報あり。
これはもうその子猫ちゃんをもらい受けるしかなかろう。

姑の退院が8月8日に決まって、子猫ちゃんは7月中旬に我が家に来てもらうという段取りをつけた。
その矢先、姑の様態が急変して、あっという間に亡くなった。享年94才。
脳梗塞発症までは、我が家と同じ敷地内の母屋で一人で暮らしていた。
私は姑のために食事だけを作り母屋へ運んでいた。それ以外のことは姑はまだまだ一人でできていたから。

自宅介護予定だったことで私の評判は上がるだけ上がって、実際には介護をすることもなく。
姑は不出来な嫁の身の程知らずな覚悟(自宅介護)に不安を覚えて、さっさと自分の身を処したのかもしれない。
そういう人だった。

姑が亡くなったのが7月9日で、その1週間後に予定通り猫がやってきた。

ユリと名付けた。
美少女猫さんだった。

つづく。